3.5 R Markdown Notebook
R Markdown Definitive Guide (Xie, Allaire, and Grolemund 2018) の Section 2.2 で言及したように, Rmd 文書をコンパイルする方法はいくつかあります. その1つは次の例のように html_notebook
という出力フォーマットで R Markdown Notebook を使うことです.
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title: An R Markdown Notebook
output: html_notebook
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RStudio でこの出力フォーマットを使うと, ツールバー上の Knit
ボタンが Preview
ボタンになります.
notebook を使う主な利点は Rmd 文書を同じRセッションで繰り返し作業できることです. コードチャンクにある緑色の矢印ボタンを押せばチャンクを個別に随時実行でき, エディタ上でテキストやグラフの出力を見られます. ツールバー上の Preview
ボタンを押すと, Rmd 文書を既に実行したコードチャンクの出力を含む HTML 文書へレンダリングするだけです. Preview
ボタンは一切のコードチャンクを実行しません. これと比較して, 他の出力フォーマットを使い knit
ボタンを押したときには, RStudio は文書全体をコンパイルする (つまり全てのコードチャンクが一気に実行されます) ために R セッションを新規で立ち上げますので, たいていはもっと時間がかかります.
コードチャンクを個別に実行した時に出力がインライン表示されるという RStudio のデフォルトの挙動が気に入らないなら, Tools -> Global Options -> R Markdown
から “Show output inline for all R Markdown documents” というオプションのチェックを外すことができます. 以降, コードチャンクを実行すると出力はソースエディタ内ではなく R コンソールに表示されます. このオプションは以下のように YAML メタデータで個別の Rmd 文書ごとに設定することもできます.
editor_options:
chunk_output_type: console