本書の構成

本書はそれぞれ単独のコンセプトを実演するため, 小規模な「レシピ」に細分化されています. 1 章では必要なソフトウェアツールのインストール方法を紹介しています. 2 章では R Markdown のコンセプトを概観します. 3 章では R Markdown の基本的な構成要素を紹介し, R Markdown 文書と R スクリプトの変換方法を紹介します. 4 章では, 改ページ, 参考文献リストの掲載, 番号付きの図, アニメーション, ダイアグラムといった文書の要素を作成する方法の話をします. 5 章では図の大きさやアラインメントといった文書の整形方法を紹介します. 6 章では LaTeX/PDF のみ出力したい場合に使える豆知識と小ワザを紹介します. 同様に 7 章では HTML ユーザーに対して, 8 章では Word ユーザーに対して豆知識や小ワザを紹介します. 同時に複数の出力フォーマットで生成したい場合 (これはしょっちゅう小ワザを駆使します), 9 章の記述が役に立つでしょう. 10 章は, 正直に言えば私が最も気に入らなかった箇所ですが, 私は多くのユーザーが表の作成方法を本当に欲していることを理解しています. 私はゴテゴテした装飾過多な表の専門家ではありませんが, その役に立つパッケージのリストを知ることはできるでしょう. 11 章では, あなたがまだ知らないであろう knitr のチャンクオプションのいくつかの応用をお教えします. 12, 13 章は knitr の出力とカスタムフック関数の挙動をうまく扱えるようになることのすばらしさをお教えしますので, 少し発展的ですがこれまたとても役に立つはずです. 14 章ではいろいろな knitr の小ワザを紹介します. 15 章では R Markdown で他のプログラミング言語を扱う例をお見せします. そう, R Markdown は R のためだけのものではありません. また, knitr がまだサポートしていない新しい言語でも動作させる方法も紹介します. 16 章は R Markdown とプロジェクトを関連付けて管理するための豆知識を紹介します. 17 はあなたのワークフローを改善する豆知識をいくつか提示します.

本書のレシピはそれぞれ独立した項目になっているので, あなたに決まった目的がなくてもこれらの中から適当に取り上げて読むことができます.