4.12 複数の改行コードを維持する
Markdown ユーザは, verbatim 環境 (コードブロック) 以外の場所では空白 (改行コード含む) は大抵の場合意味を持たないことに気づき, 驚くでしょう. 2つ以上のスペースはスペース1つと同じであり, 改行1つはスペース1つと同じです. LaTeX や HTML を使ったことがあるなら, これらの言語と同じルールであるため驚くことはないかもしれません.
Markdown では, 空白行はしばしば段落などの要素の分離に使われます. 新しい段落に入らずに改行をするには, 末尾にスペース2つを追加しなければなりません. 特に詩や歌詞を引用したいときなど, 複数回改行したいときもあるかもしれません. 各行の末尾にスペース2つを手動で書き加えるのはうんざりする作業です. blogdown:::quote_poem()
はこの作業を自動でやってくれます. 例えばこのように.
RStudio IDE と blogdown パッケージ (Xie, Dervieux, and Presmanes Hill 2022) をインストールして使っているなら, 改行を維持したいテキストを選択し, ツールバーの “Addins” から RStudio アドインの “Quote Poem” をクリックすることができます. 例えば以下のテキスト (fenced code block 記法内) は末尾にスペースが付いていません.
田子の浦ゆ
うち出でてみれば
真白にそ
富士の高嶺に
雪は降りける
--- 山部赤人
上記の詩句を選択肢, RStudio アドインの “Quote Poem” をクリックすれば, こう出力されます.
田子の浦ゆ
うち出でてみれば
真白にそ
富士の高嶺に
雪は降りける— 山部赤人
たまに「fenced code block は空白を維持するのに, 詩句をコードブロックに書くのはなぜですか」と質問があります. コードは詩的でありますが, 詩はコードではありません. コーディング中毒にならないようにしましょう.
:::{.infobox .caution data-latex”{caution}“}
訳注
上記の例では, 最終行の出典の右寄せが再現できません. 右寄せには Pandoc の fenced Div
blocks の機能が使用されています (9.6節). 詳細はこの文書のソース (Rmd と CSSファイル) を確認してください. HTML 版をご覧ならば上部ツールバーの “Edit” ボタンからソースのURLを辿ることができます.
:::