1.1 RStudio IDE にバンドルされていないバージョンの Pandoc を使う

RStudio IDE は特定のバージョンの Pandoc を同梱しているため, RStudio IDE を使用する場合は自分で Pandoc をインストールする必要はありません. しかし同梱されたバージョンが最新でないことはよくありますし, 必要なバージョンでないかもしれません. 別の Pandoc を自分でインストールすることができます. ほとんどの RStudio ユーザーは同梱されたバージョンを使用しているでしょうから, このバージョンの Pandoc は R Markdown での徹底的なテストを乗り越えていることを覚えておいてください. 異なるバージョン (特に新しいバージョン) を使う場合, 他の R Markdown ユーザーや開発者が解決できない問題にぶつかるかもしれません.

Pandoc のサイトに, プラットフォームごとの Pandoc のインストール方法の詳細なインストラクション https://pandoc.org/installing.html があります. 特定のバージョンを使うために Pandoc を自分でインストールしたのなら, 例えば以下のように rmarkdown::find_pandoc() 関数を呼び出して rmarkdown パッケージにそのことを知らせることになるでしょう.

# 特定のバージョンを検索
rmarkdown::find_pandoc(version = "2.9.1")

# 特定のディレクトリから検索
rmarkdown::find_pandoc(dir = "~/Downloads/Pandoc")

# 以前発見した Pandoc を無視して再検索する
rmarkdown::find_pandoc(cache = FALSE)

上記のコードチャンクのように, Pandoc のバージョンを特定する方法はいくつかあります. デフォルトでは rmarkdown::find_pandoc() はお使いのシステムの最新の Pandoc を発見しようとします. 発見できたなら, バージョン情報はキャッシュされ cache = FALSE でキャッシュは無効化されます. pandoc 実行ファイルの発見されるであろうディレクトリがどこにある可能性があるかは, ヘルプページの ?rmarkdown::find_pandoc を見てください.

この関数は Rmd 文書内でも外部でも呼び出される可能性があります. あなたのコンピュータにインストールした特定のバージョンの Pandoc で Rmd 文書をコンパイルしたい場合, この関数を文書内のチャンクのどれかで呼び出すことになるでしょう. 例えばセットアップ用のチャンクで以下のように.

```{r, setup, include=FALSE}
rmarkdown::find_pandoc(version = '2.9.1')
```